ベトナムでの生活も3~5年を超えてくると、言葉や文化の壁も低くなり、日常の暮らしやすさに慣れてくる時期だと思います。
しかし、30代後半から40代、そして50代の手前が見えてきた頃、ふとした瞬間に頭をよぎるのが「このままベトナムで年を重ねて、自分の老後は大丈夫なのだろうか?」という現実的な不安です。
日本を離れて働く期間が長くなるほど、日本の公的年金受給額(国民年金のみ等)は手薄になります。
何も対策を打たずにただ時が過ぎるのを待っていると、将来本当に困ることになります。
駐在員さんは最強ポジション。同じ感覚で過ごしてはいけない。
ベトナムで営業などをしていると、夜のアテンドや飲み会、ローカルの美味しいお店から高級和食まで、誘惑はそこら中に転がっています。
かく言う私も、30代後半までは「営業メンタル」全開でした。 人脈作りのため、自分を売り込むためにと、週の半分は色んな集まりや飲み会に顔を出していました。
ですが、ある時やんわりと言われたんです。 「行き過ぎた出歩きは、お金をおしっこに変えてるだけだよ。お金がもったいないですよ」と。
ぐうの音も出ない指摘で、今振り返っても本当に無駄な支出もあったような気がします。
ここで一度冷静になって、駐在員さん達と、そうでない待遇の違いを理解しておかなければいけません。
同じテーブルで楽しそうに乾杯している駐在員の方々。彼らは日本の厚生年金にガッツリ守られ、手厚い住宅手当や現地手当がついた「別格の環境」にいます。夜の街でお金を使っても、日本の口座には毎月しっかり貯金と年金実績が積み上がっているのです。
一方、現地採用やローカル雇用の私たちはどうでしょう?手厚い手当もなければ、年金も自己責任。それなのに駐在員と同じ金銭感覚で夜の街にお金を溶かしていたら……数年後、間違いなく老後資金で行き詰まります。
「ベトナムなら〇〇円で暮らせる」の罠
たまに「ベトナムなら月〇〇円で十分暮らせますよ!」なんて甘い言葉でアドバイスしてくる人がいますが、騙されてはいけません。
30歳前後から下の年齢であれば、それでも良いかもしれません。
当然、資金などの無防備な状態で、ベトナム移住することはないかと思いますが、アラフォー、アラフィフの年齢に近づくにつれ、老後や将来の資産形成まで見据えるなら、
「〇〇円で暮らせる」と言われた金額の3割増しか倍近い給料待遇を確保して長期滞在に備えるか、そうでなければ2〜3年の短期滞在と割り切って魂を燃やし尽くして帰るか、の二つに一つです。
「安く暮らせるから」と低空飛行のままダラダラと長居するのが、一番将来のリスクを高めます。
お金だけじゃない。「健康問題」での完全帰国のリアル
さらに恐ろしいのは、お金だけの問題ではありません。
ベトナム生活20年の私の「統計」から言わせてもらうと、30代後半までに「ベトナムローカル最高!」と連日飲み歩いていた方々が、体の限界を迎えて健康診断で引っかかり、結局は健康問題で完全帰国になっていく姿を私は何度も何度も見てきました。
お金もなくなり、体も壊して日本に帰る……これほど悲しいことはありません。だからこそ、伝えたいのです。「一切遊ぶな、飲むな」と言いたいわけではありません。 必要なのは圧倒的なメリハリです。飲み会や人脈作りに使う時はドカンと使う。その代わり、普段は自炊をして体調を整える。
実は今、ベトナムでの自炊環境は10年前とは比べものにならないほど恵まれています。業務スーパー系の食材や日本の調味料がかなり安く手に入るようになりましたし、イオンベトナムさんや、日系食材店・外国人でも使いやすいスーパーの数も昔とは比較になりません。
「ベトナムで日本食の自炊をするのは高くて大変」だったのは過去の話。今は工夫次第で、体調管理と食費の節約が両立できる時代です。この自炊による「健康の管理」と「メリハリのある出費」の意識があるかないかで、5年後・10年後の将来はガラリと変わります。
給料の『3割ちょっと』は投資へ。株・不動産・事業参画という選択肢
駐在員の恵まれた環境を羨んでも、私たちの収入や手当が増えるわけではありません。
現地組は「自力で倍稼いで、給料の3割ちょっと(30〜40%)は将来の資産形成に回してようやく人並み」と冷徹に割り切りましょう。
5割(半分)となるとハードルが高く感じられますが、普段の生活で自炊を取り入れ、無駄な飲み代を抑えれば「3割ちょっと」なら現実的にひねり出せるはずです。
そして、ここで活きてくるのが、私たちがベトナムの現場で生き、ベトナムドン(VND)で収入を得ているという最大のアドバンテージです。
日本の低金利や低成長を遠くから眺めるのではなく、成長の渦中にあるこの国で、自分に合った「資産の置き場所」を見つけること。
選択肢は一つではありません。
- 少額から手軽に始められる「ベトナム株・投資信託」で成長に乗る
- 現地での信頼関係や情報網を活かした「不動産売買」
- 自らビジネスを立ち上げる、あるいは事業に投資して「売却(EXIT)」を狙う
私自身もこれまで、ベトナム人妻名義での不動産売買を2回経験し、自身で立ち上げた飲食店を2年間経営した後に事業転売するなど、現地のリアルな市場の中で試行錯誤しながら資産を動かしてきました。
もちろんリスクはありますし、最初は株や積立投資といった手堅いところから始めるのが鉄則です。
しかし、「現地の現場にいる自分たちだからこそ見えるチャンス」は間違いなく転がっています。
給与の3割ちょっとをこうした「ベトナムの成長に投資する仕組み」に回すことこそが、現地組が本当の意味で将来の自由を手に入れるための生存戦略になります。
まとめ:諦めつつ、備えつつ。最後は「まあ、知らんけど(笑)」くらいの余裕で
……と、ここまで偉そうに色々と語ってきましたが、正直に言うと私自身、これらを完璧に徹底できているわけではありません(笑)。
たまには誘惑に負けて飲みすぎて反省することもありますし、思い通りにいかない投資や事業だってあります。人間ですから、ストイック100%なんて無理です。
大切なのは、ストイックになることではなく、「やりつつ、時には諦めつつ」の緩い軸を持ちながらも、長期的な戦略と備えとしての出口戦略(逃げ道や資産の確保)だけは最低限作っておくことです。
- 普段は健康に気を使って自炊する(でもたまには派手に飲む)
- 無駄遣いを減らしつつ、給料の3割ちょっとは淡々とベトナムの成長に投資しておく
- 最悪の事態(健康問題や老後)に備えて、逃げ道(出口戦略)だけは確保しておく
これくらいの安全網(セーフティネット)さえ自分の後ろに張っておけば、ベトナムという刺激的な国で、肩の力を抜いて楽しく泳いでいけます。
「まあ、知らんけど(笑)」
それくらいの余裕と手応えを持って、今日もこの街で生き抜いていきましょう!
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